2011年 02月 01日
JR三ノ宮駅の柱 火垂るの墓の舞台
先日JR三ノ宮駅の
リニューアル計画の
ニュースがありましたが、
ここの柱も無くなってしまう
のでしょうか。
通るたびに野坂昭如氏の
「火垂るの墓」を
思い出します。
作品の冒頭と最後の場面はJR三ノ宮駅です。
「省線三ノ宮駅構内浜側の、化粧タイル剥げ落ちコンクリートむき出しの柱」
の根元で主人公清太は餓死します。
遺体をかたずけた駅員がドロップの缶を見つけて駅前の
焼け跡の草むらにそれをほったら、落ちた拍子にふたが開き
中から骨のかけらが転げ落ち、草むらの蛍が驚いて飛びかった。
昭和20年6月5日の空襲で家を焼かれ、妹と二人残されてから
親戚の家から、満谷池の防空壕の洞窟で暮らし妹は栄養失調で
死んでしまいます。
清太は妹の遺体を一人で荼毘に付し、その骨を妹がずっと大事に
していたドロップの缶に入れて、腹巻きに巻いて持ち歩いていたのです。
駅構内で野垂れ死にをした清太は他の2、30はあった浮浪児の
死体とともに布引の上の寺で荼毘に付され、骨は無縁仏として
納骨堂へおさめられました。
布引の上の寺とは徳光寺のことだろうということです。
この柱はたくさんの清太を見てきたのでしょうね。